寺嶋裕二さんの作品です。
前作は悲願の甲子園出場を決めたところで終わりましたが、その続編です。
元野球少年としては、ドカベン・バトルスタディーズと並んで、心の御三家です。ストーリーとしての面白さだけならこれが一番かな。
ダイヤのAが作品として優れているところは、野球留学という昨今、物議を醸す・・それこそやっかみの対象ともなっている制度を完全に肯定しているところです。こういう明確なスタンスって清々しいですよね。
でもって、私もまた、才能のある人たちを集めるという育成システムには賛成です。
熱量のある人にしてみれば、やる気のない人、趣味感覚の人はイラつきますし、逆に趣味でたしなみたい人にしてみれば、熱量のある人なんて鬱陶しいだけでしょう?「だったら名門校いけや」みたいな。(SLAM DUNKのゴリの挫折エピソードなんかはまんまそれでしたよね)
ともあれ、公立校の部活で延々と繰り返されてきたその手のジレンマに対する最適解が、今のエリートを集めるというスタイルなんじゃないかと思うんですが。
ひとまず本作の内容とはちょっと離れたので戻ります😂
本作最大の魅力としては、やはりキャラ造形の細かさと、それぞれが哲学を持っているというところです。(というか、それを表現する余地があるところ)
たとえば、ライバル校の都立王谷高校の若林とかは、野球留学に対する敵対心を隠そうとしませんし、文武両道こそが学生の本分だという前述のような世間の言葉を代弁しています。
そんな風に、野球留学を肯定しつつも、一方でライバルキャラなどを通じて、他の価値観も肯定しているという優しさと奥行きを感じるわけです。それが、ダイヤのAを、単なる野球エリートものにしない、ストーリーとしての深みになっている気がします。
ちなみに、私が好きなキャラは沢村です。
主人公じゃん!って感じですが、やっぱり目標に向かってまっすぐなところや、チームメイトを鼓舞する姿には、エースとしての矜持、組織のリーダーとしてのあるべき姿を感じますね。自分のなりたい姿でもあります。
まあ、私はどちらかというと、王谷高校の若林みたいな人間ですが😂
追記(2025年11月14日)
結局、act2も甲子園出場のところで終わってしまいました。
作者の寺嶋先生の健康上の問題もあるそうで、沢村たちの最終年は読者の想像にお任せします・・といったところでしょうか。
これだけの名作ゆえに、最後まで・・という気持ちもありますが、一方でここで終わらせて、想像の余地を残してあげるのも、この作品らしいなという気がします。たとえば、高津が活躍しまくったら、なんでコイツを早く出さなかったんだってなりそうですし、案外だったら、それはそれで落胆しそうですからね。
でも、スピンアウトの帝東VS鵜久森は名作なので、やっぱり続きが読みたいなあという気持ちの方が依然として強いです。そして見た目こそヤンキーだけど、多分、梅宮って頭が良いという隠し設定がありそう・・

