何者

朝井リョウさんの作品です。

朝井リョウさんの作品の中では、一番好きです。

ベストセラー作家に対して、論功行賞的に与えられることの多いがゆえに、受賞作は案外・・ということが多い直木賞ですが、本作は期待を裏切らない傑作です。

本作の見どころとしては、作中ところどころで、違和感と共に垣間見える主人公・拓人の人間性が、最後にズバッと暴かれるところですね。あぁ、やっぱり・・と思う人も多いんじゃないかなと思います。一方で、誰もが自身の就職活動を思い出し、共感とまではいかないまでも、理解出来る部分があるんじゃないかなと思いました。

サワ先輩の喫煙所から立ち去るときの言葉が、本作のハイライトになっていると思うのですが、まさにそれなんだよなあと思ったり。でもって、読者のヘイトや、冷ややかな視線を一身に背負う理香が最期にカッコいいところを持っていく感じとかは、さすが朝井リョウ作品だな!と思いました。

苦しいときほど人間性が出るといいますが、誰もが必死にもがくことが多い一方で、仲間との調和とかを余儀なくされる就職活動という舞台だからこそ、考えさせられるドラマだなと思いました。

大学生や社会人はもちろんですが、ある種、就職活動的な競争が続く起業家ほど、読んで欲しい1冊だなと思います。モヤモヤとした苦しみから解放される、カタルシスを得られるんじゃないかなと思います。