ラファエル・バジアグの著書で、依田光江さんと、田中的さんが翻訳しています。
よくある億万長者研究本ですが、他の本との大きな違いは、著者自身がビリオネアであるという点です。それゆえに、かなり解像度の高い内容になっています。500ページというボリュームに加え、税込4400円という価格も、これまでにない特別さを感じさせてくれます😇
まず、翻訳がとても丁寧でうまいです。そりゃプロの翻訳家が翻訳しているんだからあたりまえだろう!と思うかもしれません。ですが、本書は学者の書いた本ではなく、ビリオネアになった起業家の書いた本です。こういう本の場合、周辺情報や知識が欠けていると、抽象度が高くなってしまい、本質がわかりづらくなりやすいんです。しかし本書は、そういった心配が一切ない、解像度の高い内容に仕上がっています。このあたりは、さすが海外翻訳に強い早川書房だなといった感じですね。(早川書房の、アガサクリスティ、レイモンドチャンドラー作品をはじめとした海外小説の翻訳本は学生時代から愛読しています)
さて、本書の内容としては、著者のビリオネア仲間に対するインタビューなどをベースに、実際にビリオネアになった人たちの成功の秘訣、普通の人たち・・ミリオネア止まりの人たちとの違いをもたらす違いについて解説されています。かつてベストセラーとなった「隣の億万長者」という本がありますが(あれも同じ出版社ですね)、それよりも一回りスケールの大きい話になっています。
隣の億万長者は、いわゆる会社勤めをしているような、一般的な暮らしをしている人たちの蓄財や資産形成に関する秘訣をまとめた内容でした。一方の本書は、あくまで自分で事業を展開して、ケタ違いの資産をビジネスという戦いを通じて勝ち取っていくという基本戦略が根底にあります。(ただし、競争戦略や経営戦略に関する細かい話は語られていません)そういった意味で、読者を選ぶ本なのかもしれませんが、思考の枠組みを一気に広げてくれる内容ですので、むしろ自分にはまだ早いと思う人ほど、今すぐに手に取ってみてほしいと思います。
ちなみに、500ページにも及ぶ大著ですが、構成自体は非常に読みやすくなっています。目次を見るだけで億万長者のルール(原理原則)をサクッと学ぶことができて、より具体的な話は、それぞれの項目を読むことで理解出来ます。
ある程度、起業家として活動してきている人ならば、割とできている部分も多いと思うので、まずは気になった部分・足りていないと自覚している部分の拾い読みからでも十分だと思います。
あと、本書の隠れた見どころとしては、巻末に収録されている、ビリオネアたちへのアンケートです。とりわけ、座右の書に関しては、国籍や年齢を問わず共通しているものもあったりするのでとても興味深い内容でした。





