黄色い家

川上未映子さんの作品です。分厚くて、目立つ表紙なので即買いしましたが、いかんせんボリューミーなので読むタイミングがなく今日まで積ん読でした・・😂

私と同じ40代の人は、自分と同年代の人たちの話として臨場感をおぼえながら楽しむことができると思います。

作品のテイストとしては、東野圭吾さんの白夜行を思わせるようなノワールテイストです。それゆえに、よく言えば人間の弱さみたいなものがうまく描写されている作品ですが、一方で登場人物に対して好印象や共感を抱くかは人によりけりかな・・と思います。たぶん、私と同じ起業家の人は「君たちはどう生きるか」的な読後感の悪さ、モヤモヤ感を覚えるかも知れません。

皆一様に、自分本位なものの見方、考え方をしていて、それぞれにバランス良く嫌悪感を抱くんじゃないかと思います。誰も彼もが、一貫して他責思考で、このスタンスをどう受け取るかって今おかれている立場によって違うと思うんですね。その上で、お金に困った人間の弱さ、そして多少稼げたときにありがちなトラブルなど、起業家ならばイヤでも経験するような出来事が繰り広げられます。臨場感を通り越して、デジャブ感を覚える人もいるかもしれませんね。

そしてモヤモヤした部分としては、罪に対する報いを受けないあたりでしょうか。今のそれぞれの人生を報いとするには、あまりにぬるいというか・・まあ、実際の世の中にもそうやって逃げ延びている人もいるのかな?このあたり、ハッキリとした報いがあるならば、ある程度読後感も良かったのかもしれませんし、モヤモヤしなかったのだとは思います。ともあれ、そこを絡めてしまうとありきたりな結末になってしまうのかなというところで、これはこれでいいのかなと思ったり。そういった意味で、純文学的な要素も多分に含まれている感があります。

私もそうでしたが、本作を読んでいて頭の中にリフレインする曲が、PUFFYの「これが私の生きる道」な人は多いんじゃないかなと思います。そういうことにしておけば、これから先もいい感じ♪みたいな。

というわけで、作品としてはとても面白いので、ぜひガツンと時間を取って読んで欲しい1冊かなと思います。